日本語教師を「辞めた」日

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昨日、日本語教師としての最後の仕事を終えました。

「今日が私の最終日です」と校長と副校長に挨拶すると、
「みよこの最終日は永遠に来ないよ!
いつでも遊びに来ていいし、オンラインコースの教材作りとか
まだまだ手伝ってほしいしね!」と言われ、
カードもプレゼントも何もなしでした(笑)

他の辞めていく教師にはカードにプレゼント、
送別会まであったというのに…。

私の場合は現在のフルタイムの職場と語学学校が、
向かいのビルなので交差点を渡るだけの距離ということも
あるようです。

【この仕事を見つけた経緯】

この日本語教師の仕事は、
ニュージーランドで見つかった初めての仕事でした。

 

大学院の博士課程まで進んでいた自分なら
日本語能力が平均より高いはず…と勘違いをし、
オークランドにある語学学校に履歴書を送っていて
その中から唯一面接の連絡が着た学校でした。

面接に行くと候補者は私だけで、
当時は立ち上げたばかりの新しい学校で、
日本語コースを開設しようと思うので
そのHead Teacherになってほしいということでした。

 

校長は面接の仕方も当時よく分かっておらず、
ほとんど雑談をしただけで採用となりました(笑)

今では私の後任を探す際には
候補者に模擬授業をさせたりと
ハードルが高くなっているみたいですが…。

生徒も当初は一人しかおらず、
思っていたのとは違い母国語を教えるのは難しく
四苦八苦する日々が続きました。

日本語の生徒がある時一気に増え、
教え方が分からずクラス運営がうまくいかないのに
フォローが一切なく、苦しんだ時もありました。

でも、ベテランのスペイン語教師の同僚から全体研修を受けたり、
個別にアドバイスをもらったりして何とかやってきました。

【まるで家のような落ち着きを感じる職場】

各言語のネイティブを揃えているのが売りの学校だけあり、
同僚はコロンビア人、メキシコ人、中国人、韓国人、ドイツ人、
フランス人、サウジアラビア人、ロシア人と
国籍がばらけていましたが、みな気のいい人たちばかりで
いつも楽しく雑談していました。

皆授業準備のために少し早めに来るのですが、
その時間に教科書のコピーなどしながら雑談をするのが
いつも楽しみでした。

校長も気さくで話しやすいニュージーランド人で、
私が昨年の10月に以前のシェアを突然追い出され、
すぐに出ていく準備をして住む所を探さないといけないのに
新しい職が決まったばかりで身動きが取れず困っている時に
助けを申し出てくれた、とても良い人です。

「自分達夫婦は来週から一か月日本旅行に行くので、
その間自分の家に無料でいつまでもいてもいい。

あなた達カップルはどちらも外国人で、家族の助けがないでしょ?

家族の助けはとても大きくて、私がこの学校を始める時に
家族は使わなくなったテーブルをくれたりして助けてくれたの。

ほら、あの教室に置いてあるあのテーブル、
あれは私が子供の時に夕食を食べていたテーブルなの。

でも、あなた達はこの国でそういう助けを得られない。

だから私達が助けるの。」

と申し出てくれて、泣きそうになりました。

でも少し近くに人がいたので泣いてはいけないと思い、
涙をこらえるのに精いっぱいでしたが
「ありがとう…」と絞り出すようにしてお礼を何とか言いました。

結局、運よく今の住まいがすぐに見つかり
校長の家にお世話になることはなかったのですが、
その申し出がどれほどありがたくて、心に染みたか。

【そして迎えた「最終日」】

そんな職場を離れるのは心苦しいのですが、
校長の紹介で昨年の9月に現在のフルタイムの職が決まって
時間的余裕がなくなったこと、
また仲の良かった同僚達何人かが母国に永久帰国することになり
辞職が重なったことから、辞める決断をするに至りました。

「辞める」といっても
「みよこの最終日は永遠に来ないよ!」と言われたし、
おそらく教科書の翻訳やオンラインコースのための音声録音などで
たまに手伝う時が来るのだと思います。

私のクラスで日本語を学んでいた校長の旦那さんいわく、、
「みよこは今日が最後なんだからプレゼントを買わないと」と
進言してくれたそうなのですが、校長を含めた運営の人達が
「みよこは辞職するわけじゃないのよ!
(She is not literally leaving us!)
だからプレゼントはいらないでしょ!」
ということで
買わなかったそうです(笑)

 

 

こういう訳で、他の同僚たちのように
プレゼントは貰えませんでしたが、
こんなに暖かい場所と関わりを持ち続けられることが
何より大きなプレゼントのようなものかな、と思います。

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