依存症に耐えかねて家出をしていたのはなぜか?

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アルコール依存症のパートナーが毎日飲酒しているのが辛くて、
5月30日についに家を出ました。

といっても二晩近所のゲストハウスに泊まっただけでしたが…。

画像は少し不鮮明ですが、彼がこの時の連続飲酒で空にしたお酒の缶の一部です。

飲酒しているのは自分の意志じゃないと頭では分かっているのに、
新しい仕事がすごく忙しい職場なので
毎日疲れて家に帰ると大量のお酒の空き缶に囲まれて、
一日食事を取らずに飲み続けている彼がいて、
別に暴力や暴言があるわけじゃないのに
ただそんな彼を見るのがしんどかった
というか…。

あとは経済的にも私が彼の分の家賃や光熱費を払っていたので、その重圧も。

依存症者の問題の尻拭いしてはいけないから、
依存症者の家賃や光熱費を代わりに払うなどの
経済的損失を肩代わりしてはいけない
のですが、
賃貸の契約書にも光熱費の請求書にも彼の名前だけではなく私の名前も載っているし、
払わなければ私もホームレスになるから私が払っていました。

私の場合、どういう対応が正解なのか分かりません。

賃貸の契約は来年4月までの固定期間ですし…。

依存症の治療だけを考えると、
永住権を諦めて賃貸の契約を引き継いでくれる人を探して
彼と別居するのが最善なのかもしれません。

でも、永住権の申請中に別居している場合は相応の理由説明が求められるし、
その説明に「主申請者がアルコール依存症なので、
回復のステップとなる底つきをさせるために別居しています」
などとまさか言えるはずもなく
…。

でも実際、家賃も光熱費も食費も払えてないのに住める家があって、
電気と水道が通ってて食べ物があって、というのは
彼が問題に気付かせることを遅らせている
わけです。

配偶者である私はフルタイムで働いているとはいえ
給与がいい仕事には残念ながらついておらず、
彼の生活費を全額負担すると貯金がじりじり減っていくから、
どうにかしないと数か月後には二人でホームレスになるのですが。

今年のクリスマスはニュージーランドの路上で新聞紙にくるまって寝てるのかなー
などと想像してしまいました。

実際は、寝室が三つあるから短期で人を入れて家賃の補助にしたりと
色々できるからそうはならないだろうとは思うものの。

私が家を出た二週間前は彼が連続飲酒で一週間仕事を休んだので
土曜に彼をGP(一般医)に連れていって、
飲酒すると気持ちが悪くなる抗酒薬の処方をお願いしたのに出してもらえなくて、
代わりにCADS(Community Alcohol and Drug Service)を紹介されました。

CADSではカウンセリングや自助グループなど、
個人個人に合ったサービスを無料で受けられます。

難点が、家から車で片道30分と少し遠いこと。

片田舎暮らしの辛さです。。

CADSのサービスを受け始めるためには
平日午前中に予約なしでいいので一度CADSに行って
アセスメントを受けないといけません。

彼は「仕事を一週間休んじゃったから、
来週一週間は休まずに仕事へ行って、
再来週の火曜あたりにタイムオフをもらってCADSに行くよ」
と言い、
宣言通り翌週は毎日仕事に行ったものの、
金曜の夜から連続飲酒で、翌々集の月曜は仕事に行けず欠勤。

そして火曜に仕事に行くと、仕事場の人から
「君の最終日は先週の金曜だったよ。上司から聞いてないの?」
と言われ、「屈辱的で恥をかいた」らしく。

彼の雇用主はすごく適当で、
彼のために外部機関でのトレーニングを予約したのにそれを彼本人に知らせない、
有休を申請しても無休扱いにする、などということが頻繁にあるので、
またしてもそういう不手際のようでした。

でも、今回は解雇ではなくて会社都合で仕事がない状態のため
(会社側がすぐに彼の次の現場を見つけられなかった)、
お給料は次の現場が決まるまで時給×30時間分が毎週支払われるとのことで、
彼は自分の家賃と光熱費を全額支払える計算でした。

私が彼に支払いを催促する前にお酒で使い切ってしまわなければ。

家賃と光熱費を自分の分なのに何回も催促しないと払ってくれないのも本当に嫌でした。

それで彼が現場に置いていた大量の仕事道具を
汗をかきながら持って歩いて引き上げて、
その前週は仕事に行っていなかったのでお金がない状態で帰宅したところに、
前の現場の仕事仲間から
「よう、俺たち今日は豪雨で仕事できないからこれから一緒に飲まない?
お前の家にビールもって遊びに行っていい?」と電話がきて、
快諾してしまった
らしいです。

この時点で火曜のお昼頃で、そこからまた連続飲酒になり、
「お金がないから今日は飲酒しないよ」
という彼がその朝に言われた言葉をうかつにも信じていた私が仕事で疲れ切って帰宅。

駐車するためにガレージのシャッターを開けると
粉々になった木の破片が床一面に散らばっていて、
「ガレージの何かを壊したのか?
ボンド(敷金)は私が全額払ったのに、もう帰ってこないな…」
とげんなりして、家の中に入るとお酒の匂いが充満していて、
仕事着のままのソファーでいびきをかいて寝ている彼の姿が。

無力感と絶望感でいっぱいになって、自分の部屋にそっと行ってベッドに座り込んで泣きました。

「誰かに話さないと、もう自分が持たない」と思って、
その日の夜に近所で開かれていたAAの家族対象のミーティング、アラノンへ。

起きてきた彼が「俺もミーティングに君のために行くよ」
と申し出てくれましたが、
本人ではなく家族対象のミーティングだから断りました。

その後、「明日お給料が出るから、それまで100ドル貸して」と言われて私は激怒。

「いい加減にしろ。
私の貯金は月の半分しか働かないあなたの生活費の補填に消えていって
貯金はすごい勢いで減っている。
永住権の申請費用6300ドルも、結局貯金が一切ないあなたのために
全額私が一括で出さないといけないのを忘れたのか。
100ドルは貸してやる、ただしその金を受け取ったが最後
私はあなたの人生から消える」と言うと
「分かった。じゃあ100ドルはいい」と…。

そしてミーティングの時間が近づいてきたから
家を出るためにガレージに行くと、彼が近づいてきて
「車に俺も乗せていって。
あと、50ドル貸してほしい。
お酒6缶とタバコ買うだけだから。
会場近くにある酒屋から家までは歩いて帰るから」
と言われました。

もう断るのも疲れて50ドルを共有の口座に何も言わずに送金して、
彼を車に乗せて会場に行きました。車中では私は完全に無言でした。

彼と二人で会場に入ると優しそうなおばあさんが迎えてくれました。

おばあさんが「ミーティングは初めて?」と聞いてきたので、
私がそうですと答えると、彼は「俺が彼女の問題なんです」と答えて、
おばあさんが「問題だなんて、そんな。よく来ましたね」
と私と彼の頭を優しく撫でてくれて何だか泣きそうになりました。

おばあさんが「会場は奥にある小さい部屋ですよ」と教えてくれたので
彼と別れて部屋へ向かおうとすると、
彼が「50ドル送ってくれた?」と聞いてきました。

私はもう本当にうんざりして「送ったよ」と彼の方も向かずに言い捨てて部屋に入り、
泣いていたらおばあさんがティッシュを持ってきてくれました…。

アラノンの内容はとても興味深くて、
依存症者が家族や友達、親戚にいても彼らの病気に飲み込まれず
幸せに暮らしていけるヒントをもらえる気がしました。

他者に振り回されない自分になる方法を学ぶ場のようでした。

ミーティングから帰宅すると、私から借りた50ドルでそこそこ泥酔した状態で、
「ミーティングに行ってくれてありがとう。
でも、今日を境に君はもう俺を尊敬できなくなるんじゃないかって気がする。
もうお金がないから明日は飲酒しないよ」

と彼が悲しそうに言っていました。

その翌日、仕事から帰ると泥酔した彼が。

友達からお金を50ドル借りたと…。

もう心の糸みたいなものがぷつっと切れて、
Booking.comを見て近所にある一泊62ドルのゲストハウスの部屋を
その翌日から二泊で取りました。

その数日前から実はAirbnbを見ていて、
人(ホスト)とフレンドリーに話したい気分じゃないから
Entire placeで見ていたら一泊$100くらいするし、
個室より価格が高くて、
「永住権の申請費用を置いておかないといけないし、浪費するわけには」
と躊躇していましたが、
私のメンタルヘルスを管理するためには必要な出費と割り切ることにしました。

彼には部屋を取った後に
「私はあなたの依存症に反応しすぎていて心が疲れているから、
明日から二泊休暇を取ることにした。
仕事はそこから行く。メールも電話もなしで」と伝えました。

彼からは、「俺と別れる予行演習?でも、仕方ないね…。
責任ある大人じゃなくて、問題児みたいに振舞ってごめん。
お酒をやめなきゃって分かってるのに、今俺の頭は
『今晩お給料が振り込まれるから、
確認次第すぐにUberで酒屋へ行ってお酒を買って飲みたい』
っていう考えでいっぱいなんだ。おかしいだろ?
お酒は別においしくない。飲んでも気持ちよく酔えない。
ただ思考が鈍くなって、現実逃避できるから飲んでるだけ。
何から逃げたいのかは自分でもわからない。
君が俺から逃げたいの、わかるよ。
俺が君の問題で、君を辛い状況に追いやっているのは俺だもの。ごめんね」
と…。

そしてゲストハウスにチェックインして夜に一人で部屋にいると、
依存症者も依存症者の家族も孤立しているというか、孤独だなと思いました。

社会からのスティグマと偏見があるから、
自分が抱えている状況について周囲に話しても傷つくだけなので気軽に話せません。

だから自助グループが必要なんだなと。

私だって職場での雑談で「昨日の夜は何した?」と同僚に聞かれても、
「アルコール依存症の彼に疲れて、近所のAAの家族会に行って泣いていた」
などと馬鹿正直に言わず、
「昨日の夜はたくさん寝てリラックスした」とか適当にポジティブな答えを返しますし。

別に何てことない雑談なのに、幸せなふりというか、
何の問題もないふりをするのが心に澱がたまる感じでじわじわ疲れます。

心が疲れてるからそう感じるのでしょうが…。

でもそうして黙っていると、結局社会での偏見はなくならないんじゃないか、
ある程度話していかないといけないんじゃないか
という気もするので、
こうしてブログに少しずつでも書こうと決めました。

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