世界が揺れて見えたほど涙が溢れた1つの理由

先月は、精神的にすごく参ることが多かったです。仕事が終わって帰宅してから、Alcohol Drug Helplineという機関の、24時間無料でプロのカウンセラーが対応してくれる電話相談に泣きながら電話をかけて話を聞いてもらったことも…。泣いて数秒話せないという状態には久しぶりになりました。

5月6日から彼の新しい仕事が始まったのですが、どうやら良くない現場のようでした。彼いわく「仕事内容が単純作業すぎる。それに周りは自分以外全員トンガ人で皆トンガ語で話してるし、話し方もすごく失礼。名前じゃなくて人種で呼んできて、『おい白人、ここ掃除しろ』って命令してくる。全然まじめに働かない人達ばかりだから『ちゃんと仕事しようぜ!』って言ったらその日からすごく辛く当たられるようになった」のだとか。それでも月曜から土曜まできちんと仕事に行っていました。

ところが、土曜の仕事終わりに家で飲み始めたら止まらなくなり連続飲酒に突入し、翌週は月曜から欠勤になり、水曜からは欠勤の連絡すら入れずに、起きてる時はずっと飲酒していました。飲み始めてからは食事も夕食は私が夕方はいるから一緒に少しだけ食べるものの一日その一食だけで、数日間シャワーも浴びず、歯磨きもせず、毎日Uberで酒屋に行って、Man shedとして使ってるくらいガレージで一人ひたすら飲み続けた日が続きました。

私はただそれを見ていることしかできず、「新しい現場はもう確実にクビだろうな。次の現場がいつ回ってくるか分からないからその間無収入で貯金もないし、私が全額負担で数週間養うのはおそらく確実で、もう永住権は金銭的に無理かもしれない。銀行のローンに手を出せばいいのかもしれないけど、そこまではしたくない…」と葛藤していました。

永住権が取れなくなることがあるとしたら、ビザのポリシーが変更になる以外はまずないだろうと思いきやこういうルートがあったとは想像していませんでした。それにこのケースだと仮に貯金があったとしても、アルコール依存症ということで移民局に出す健康診断の結果で引っかかりそうな気もするし、本審査開始直前/直後に無給休暇を大量に取得して働いてないことで質問されそうな気もします。

その日の二週間前は彼が飲酒運転で酒屋までお酒を買いに行って(私に酒屋への送迎を頼まれたけど断っていました)、それが21時半で22時半まで戻ってこなくて、「人を轢いたか?どこかの家に突っ込んだか?自損事故で怪我したか?まだFullじゃなくてRestricted Licenceだから22時以降は一人で運転したら違法な上に飲酒運転だから、警察に捕まったら罰金の上一発で免停。犯罪歴にも載って永住権審査に響くし、免停だと仕事に行けなくなるのにどうするの?」と待ってる間中気が気ではありませんでした。

帰ってきた本人に聞いたら「酒屋の隣のバーで同僚にばったり会ってちょっと話してた」らしくて私は激怒。彼は反省して「もう二度としない」と言ったその一週間後にまた飲酒運転で酒屋に行ったので、今度はもう無力感で私は号泣しました。私が怒ろうが何を言おうが、この人には響かない、今のこの人にはお酒だけが全てで他の物事や人には何の意味もないのだと。

5月16日は仕事の終わりに彼の抗不安薬と睡眠薬の処方薬を取りに薬局に行ったら、薬局側の手違いで「処方薬は昨日渡しましたよ」と言われて、彼に確認のため電話したら、薬は受け取っていないという返事と、「今友達の家。今日は家に遅く帰る」と…。友達の家で何してるの?と聞くと「飲んでる」…。

思わずため息が出たものの、責める言葉は飲み込んで、「あなたの家賃を二週間分私が肩代わりしてるから、一週間分払ってくれないかな?」と私が頼むと、「今払うよ!忘れてただけ!」と言われ、友達に「ほら○○(その友達の名前)、俺のボスに挨拶しな!」と電話を渡したので私はそこで怒りのあまり電話を切ってしまいました。車を五分運転して家に着いてもまだお金が振り込まれていなかったので、「家賃振り込んでくれるかな?」とその3日間で合計5回目の催促をしたらやっと払ってくれて一安心。彼がお酒で使い切ってしまう前に回収したかったので。

家に着いて、久しぶりに完全に家で一人になって気を緩めたらすごく泣けてきて、「私は、もう限界かもしれない」と思いました。彼の顔を見たらすごく責めてしまいそうだから、テキストで「できたら今日は友達の家に泊まって。その方が安全だろうから」と送って、okとの返事が。怒ってるのは分かってしまったと思います。

5月14日の朝は出勤で車を出す時にガレージにあるぼろぼろのソファーで寒いからって体を縮めてお酒の匂いをさせながら寝ている彼が視界に入っていて、職場の用で買い出しに行く時間を使ってこそこそと電話をかけて、彼のために病院の診察を18日に入れました。15日の夜は「こんな風になって、がっかりさせてごめん。治したい。自分でもどうしてこうなってるか分からない。うまく説明できないけど、もう飲みたくないって思ってるのに、飲みたい、どうなってもいい、って思ってる自分もいて、自分じゃもうコントロールできないんだ」と悲しそうに言いながら、ものすごい数の空き瓶に囲まれながらワインを瓶から直接煽ってる彼の話を聞きました。「今日も何も今まで食べてないんでしょ、ほら少しでも何か食べよう」と夕飯を温めて彼に持って行きました。16日は出勤で車をガレージから出す私を見て今にも泣きそうな顔で頭を振っている彼の姿を見ました。

だから回復を応援しよう、頼まれてないけど処方薬を取りに行ってあげよう、と一人で勝手に期待して行動しただけだったのに裏切られたような気分になって、涙がどんどん溢れてきて前が見えなくなりました。久しぶりにたくさんの涙で前が見えなくなった瞬間は、まるで世界が揺れているみたいでした。

私だって新しい仕事で毎日大変で疲れてるのに、働いても彼の分の家賃や光熱費や食費で貯金ができるどころかマイナスになっていって、家に帰ったら依存症で欠勤してる配偶者がいて、絡まれたり脅されたりすかされたりしながら何十分もお金を強請られるのを断り続けたり、話を聞いてあげたりでずっと気が休まりませんでした。毎日何回ため息をついてるか数えきれないほどでした。

誰かに日本語で話を聞いてもらいたい、と思いましたが家族も友達もアルコール依存症の知識がある訳ではないので、話したところで困った顔をされるか引かれるか「別れたら?」と言われて余計に傷つくのがオチなので、専門家に聞いてもらうことにしました。日本語の電話相談は日本国内の、それぞれの施設やサービスがある都道府県に住んでいる人が対象で、ニュージーランドには日本語でのそういう電話相談ができるところがないみたいで、仕方なく英語で冒頭のニュージーランドの電話相談で専門家のカウンセラーに今までの状況を話して聞いてもらいました。

「彼の問題はあなたのせいじゃない。あなたが彼に対して怒りを感じるのも、その状態では責めてしまうのも普通。あなたが今やっていることはあなたができる最善のことで、何も間違ってない。彼に対して、あなたに何をしたらよくて、何をしたらダメかという境界線を引いて分からせること。『あなたを助けたいけど、そういう行動をとり続けるようじゃ支えられない。私にできることは限られている』と彼に言うこと」とアドバイスをもらいました。在外邦人がアルコール依存症になった時に、日本語でこうやって相談できる機関があればいいのに…。

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