「自分が本当にしたいことが分からない」
と長い間悩んでいたのですが、遂に見つかりました。
正確に言うと、「見つかった」というよりは
「気づいた」ですかね…。
これまでニュージーランドやオーストラリアで
ワークビザや永住権を取ったものの
母国に帰ってしまう人達、
または、ワークビザや永住権を取れそうなんだけれども、
取らずに母国に帰国する人達を結構見てきました。
理由は親の介護や母国への郷愁など色々なのですが、
意外に(?)多いのが、
「海外に滞在することを漠然と目指していたが、
この国でワークビザや永住権を取ったとしても
その後に何がしたいかが思い浮かばなかった」という理由です。
技能も職歴もあるし、
頑張ればワークビザか永住権が取れそう、
あるいはもう取ってみたんだけれども、
別にこの国に長期的に住みたいか分からない、分からなくなった…
というパターンです。
そういう人達の話を聞くと「なるほど」と納得していたのですが、
先日ふと
「私は永住権を取れた後のことは特に考えていないのに、
何が何でもニュージーランドの永住権を取りたいのはどうしてだろう?」
という疑問が頭に浮かびました。
答えもすぐ頭に浮かびました。
「放射能汚染が収束しない以上は日本には帰りたくないし、
北半球の政治情勢も危うくなってきたから、
これからもし子供を産んで育てるなら
地理的にニュージーランド以上に安全な場所はない。
私が本当にしたいことは、ここで生き延びることだ」と。
私は「自分が本当にしたいことが見つからない。何だろう」
と悩んできた人間です。
これまでは「自分の本当にしたいこと」を考える時、
「学者になりたい」「起業したい」などの、
安全な土地で暮らす前提が既に確保された上での
夢や目標だけを無意識に考えていました。
だから、「安全な場所で生き延びたい」という
生きていく上でのベーシックすぎる願望は
「本当にしたいこと」ではないと見過ごしてきていたようです。
大前提過ぎて。
例えば、「将来の夢は何?」と聞かれると、
普通は「ピアノの教師」「自給自足の暮らし」などと答えて、
「放射能汚染がない環境で暮らしたい」とは答えないですよね。
放射能汚染がない環境での暮らしは大前提だと無意識に考えているので。
でも、私の主観では母国では
そんな環境が当たり前ではなくなってしまったので、
安全な環境に身を置くことが
私の「本当にしたいこと」となりました。
そう気づくと、私はしたいことが見つからないどころか
今まさにしているし、
日本を出てからの過去数年はずっとしてきたのですよね。
じゃあ、その安全な環境で何をしたいか?
と考えると、また答えが思い浮かばないのですが…。