「依存症の反対は繋がり」ということを思い出してすぐに取った行動

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前の記事でアイルランド行き往復航空券を買ったと書きましたが、
パートナーの分も私が出したんです。

立て替えた、というのが正確なところですが…。

依存症者の失敗の世話・尻拭いをしてはいけないし、
経済的損失の穴埋めをしてはいけません。

だから当初は、彼の航空券は自分で買ってもらって
私はお金を貸さないし立て替えない、
もし彼が貯金できなくて航空券を買えず
家族の結婚式に出られなくても仕方がない
、という方針でした。

方針を変えることにしたのは、
航空券を私が買った数日前に友人のシェアした動画が
たまたま目に留まったからです。

その動画は依存症についてJohann Hariという人がTEDで
「Everything you think you know about addiction is wrong
(依存症についてあなたが知っている全てのことは間違っている)」
という題で2016年に話したものです。

日本語字幕も出ます。

内容を要約すると、以下でした。

依存症者に対して社会は犯罪歴を与えて出所後の社会復帰を難しくしたり
個人レベルでも非難したり恥をかかせたりして厳しい態度で臨んでいるが、
そうした対処は実は逆効果である。

ねずみを使った実験で、ケージに一匹だけ入れて孤立させたねずみは
薬物入りの水を与えるとひたすらそれを飲んで依存症になるが、
そのねずみを他の個体がいて繋がりを持てるケージに入れると
薬物入りの水を摂取しなくなった。

さらに、ベトナム戦争でもアメリカ軍の軍人が戦地でヘロインを乱用していたので
戦争が終わって彼らがアメリカに引き揚げてくると
薬物依存症者がそこら中にいるようになるのではないかと心配されていたが
彼らのうち95%はアメリカに帰国後周りとの繋がりを取り戻すと
あっさりとヘロインの使用を止めた。

ポルトガルではかつて人口の1%が依存症者だった状況だったが
2001年に政府が個人の薬物の少量所持と使用を非刑罰化し、
依存症者を雇用した雇用主には政府がその依存症者の給与を半額出すなど
社会から孤立させないようにした。
それから15年経ち、ポルトガルでの薬物使用率は50%下がり、
注射針の使い回しによるHIV感染も激減した。

「あなたを愛している、あなたは一人じゃない」
というメッセージを社会的・政治的・個人的全てのレベルで
私達は依存症者に送るべき
だ。

依存症の反対は、繋がりだからだ。

 

この動画は何か月か前に見たことがあるのですが、
すっかり忘れてしまっていたので、
友人からのシェアでもう一度見直しました。

動画を見て、
「パートナーはアイルランドに一時帰国することで
繋がりを取り戻して少しは快方に向かうかもしれない」

とふと思いついて、
それで彼の分の航空券を私が立て替えて買うことにしました。

失策かもしれませんが…。

彼は普段から週末になると
アイルランドにいる家族や友人とメッセンジャーで話しているものの、
やっぱり12時間ほどの時差がある場所で
時間を気にしながらビデオコールで短時間だけ話すのと、
直接会って話すのとは違うと思うんですよね。

直接顔を見て話した方が繋がりをより実感できるだろうと。

航空券を買った瞬間から彼の顔が明るくなり、
家族や友達に帰国を報告していました。

彼が最後にアイルランドに一時帰国したのが5年ほど前で、
その時は家族の葬儀だったので
楽しんだり羽を伸ばしたりという感じでは一切なかったんですよね。

この一時帰国が吉と出るよう願っています…。

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