日本に比べると、ニュージーランドでは雑談をすることがとても多いです。
英語では雑談はSmall talkと言います。
話題は天気の話、仕事の話、交通機関の話、家族の話など色々です。
誰にも当たり障りのない話題であることが重要ですね。
挨拶をするとこの雑談がほぼもれなくついてきますし、
自分からもつけなければならないことはないですが
つければ状況にもよりますが、まあ大体ベターです。
この説明では分かりにくいと思うので例を挙げてみます。
月曜の朝にキッチンでお茶を取りに行った時に
同僚と顔を合わせたらこんな感じで雑談します。
A: Morning. How was your weekend?
(おはよう。週末どうだった?)
B: Morning. Well, nothing exciting. Just catching up with cleaning at home.
(おはよう。面白いことは特に何も。ただ家でたまってた掃除してたわ)
A: Oh, boring. haha
(へー、つまらないね。ははは)
B: Haha. How was yours?
(あはは。あなたは?)
A: It was pretty good. I went to a park near my home with my son and had a picnic.
(かなり良かった。家の近くの公園に息子と行ってピクニックした)
B: Nice. The weather was quite good on the weekend.
(いいね。週末は天気がかなり良かったもんね)
盛り上がれば数分くらい話し続けることもありますが、
ほとんどは2-3分で終わります。
私は日本から出てすぐはこの雑談の重要性が分からず、
「誰彼構わずこんな浅い会話をして何の意味が!?時間の無駄!」
と思っていました。
アイルランド人パートナーの彼にその疑問をぶつけると、
「いきなり深い話をする方がおかしいだろ。
ちょっとずつ雑談してお互いを知るんだよ」
と言われて、そんなもんなのかな?と思いつつも、
当初の自分には深い話をできる英語力もなく。
“How was your day?(今日どうだった?)”
“How is your day going?(今日どう?)”
など、挨拶の後に一つこういう文章を付けて話してみると、
ほとんどの人が気軽に色々と話し出してくれることに気づきました。
その時に相手の家族構成や趣味を知ったりして、
共通点が見つかってお互いに親しみを感じたり
趣味が同じなら話を深く聞けたりして、
雑談がなかなか楽しいものであることに気づきました。
そして、雑談はただの情報交換やお互いを知るという内容どうこうよりも、
「あなたに関心がある。あなたを気にかけている」ということを示す
親愛の情を示すジェスチャーでもある要素が大きいことに気づきました。
雑談はそういう位置づけなので、
雑談をしない人は感じが悪い人・失礼な人と見なされます。
雑談をしない=あなたに関心はない、気にかけてない、眼中にない
というサインになるので。
職場で頼み事をする時も、
頼み事の前にワンクッションで雑談をするのが普通です。
その日の調子はどう?とか何とか。
長く話す必要はありません。
そして、その雑談が終わって始めて本題である頼み事について話し始めます。
いきなり頼み事をするのはぶしつけで失礼という感覚です。
だから、日系企業の駐在員が一ヶ月のホリデー開けの
ローカルの従業員の復帰初日に挨拶も雑談も何もなく
「この請求書についてだけど」といきなり話し始めたのを見た時は
知らずにやっていることとはいえヒヤヒヤしました…。
これは英語力どうこうの話ではなく知ってるか知ってないかの文化の話ですね。
英語は文法と単語さえ覚えれば大丈夫、と思っていると
こういう文化の罠があるので要注意です。
でも、こればっかりは現地で時間をかけて徐々に学ぶしかないです。