プロフィール


菊川美代子

2012年3月に同志社大学大学院博士課程単位取得退学、2012年5月にオーストラリアへワーホリビザで渡航。
オーストラリアで2年間のワーホリ、NZで1年のワーホリを経て、現在はパートナービザ(Work Visa Based on Partnership)にてNZに滞在しています。
オーストラリアで出会ったアイリッシュのパートナーと永住権目指して奮闘中。
私のオーストラリアワーホリ体験談はこちら

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ニュージーランド技能移民カテゴリーのポリシー変更

 

今回は技能移民カテゴリー
(Skilled Migrant Category、SMC)の変更と
ニュージーランド国内の反応を紹介してみます。

ワークビザ変更についてはこちらの記事をどうぞ。

今年の8月14日以降はポリシー変更により、
年収が$49000以上でなければ
低スキルの仕事とみなされWork Visaは取れるものの
永住権に繋がらなくなってしまいます。

 

 

このポリシー変更を受けて、
大打撃を被るのはホスピタリティー業界。

ニュージーランドのホスピタリティー業界は
多くが移民労働者かつ年収$49000以下なので、
この変更以降その業界の人達は永住権を取れなくなってしまうのですね。

永住権に結びつかないのに働きたい外国人が
どれくらいいるかというと、やはり少ないのではないでしょうか。

現在のポイントシステムではオークランド地域外だと
永住権申請の際に30ポイントのボーナスポイントが付与されます。

なので、オークランドのホスピタリティー業界で
永住権を目指している人達はオークランド地域外に
どんどん転職をしています。

おそらく、職歴の長さでまだポイントが若干足りない人達が
そうして30ポイントを手に入れ、
8月14日までに永住権を申請してしまおうという動きです。

変更が発表されたのは4月ですが、
オークランドシティーのMt. Edenというサバーブにある
パン屋の従業員25人中5人がポリシー変更の発表以降転職してしまい、
営業時間を短縮しなければいけなくなったという
記事がNew Zealand Heraldという新聞に今朝掲載されていました。

また、タイ料理屋のオーナーが
「本場のタイ料理を作れるニュージーランド人がいないから
タイ人シェフをWork Visaを出して雇っている。
うちの店は$49000もシェフに給料を出せないので、
提供している料理の価格を二倍にしないと対応できない。
しかし、価格を二倍にしたらお客さんが来なくなる。
ニュージーランド人の雇用を守るためのポリシー変更というなら、
本場のタイ料理を作れるニュージーランド人を連れてきてみろ」

と怒っている記事も先日掲載されていました。

Change.orgでは
「政府はホスピタリティー業界で働く移民の貢献を認めて
ポリシー変更を撤回せよ!」というキャンペーンもあります
(現在5000筆以上の署名が集まっています)。

外国人を雇ってワークビザを出すなら
$49000以上出さないと永住権に結びつかないから
外国人が来てくれない。

かといって、$49000以上を従業員に支払えるだけの
財政的余裕はない。

しかし、商品に人件費を吸収させると
価格が倍になるので商品が売れなくなる。

ビザを出さないならば外国人は雇えない、
かといってニュージーランド人は
ホスピタリティー業界の仕事をやりたがらず
ニュージーランド人は求人に応募してこないので、
人手が絶対的に不足するのは明らか。

…という訳で、ポリシー変更前の現時点で
ホスピタリティー業界はその影響があまりに大きいので
頭を悩ませています。

 

 

「ニュージーランド人を優先的に雇用せよ!
(New Zealander first!)」

とニュージーランド人は訴えていますが、
実際はニュージーランド人がやりたがらない仕事を
外国人がしているだけなので
全ての業界でこういう画一的な締め付けをすれば
移民局が考えている結果は得られないのではと思います。

国が発展すると、その国民は
低技能かつ低賃金の肉体労働を敬遠するようになるので
その仕事をその国に移住したい外国人がするようになり
需要と供給が成り立っているので…。

それに、基本的に外国人には言葉とビザの壁があるので
母国よりも2ランクほど下の仕事に就く傾向があります。

“Afghanistan professor, American taxi driver”
というやつですね。

私はオーストラリアの倉庫で
単純労働を法定最低時給以下でしていましたが、
私は日本で博士課程まで行った学歴がありますし、
南米出身の同僚も修士号持ちなんかがゴロゴロいました。

外国に住んだことがない官僚は
こういう事情が分からないのでしょう。

母国に住んでいる国民は、案外母国のことを知らないものです。

さて、SMCポリシー変更についての移民局本体のページはこちら
Q&Aが載せられているので
目ぼしい項目を以下に一部翻訳してみましたのでご参考までに。

 

 

Q: SMCの変更はどのようなものか?

A: 技能構成を改善し、ニュージーランドに最も経済的利益をもたらす移民を
  もたらすよう万全を尽くすために変更は行われます。
  この変更はポリシーの多くの側面に影響を与え、
  それは以下を含みます:

– 「技能雇用」と「職務経験」が審査され、ポイントが与えられる方法
– 資格と年齢へのポイント付与
– いくつかの要素に対するポイントが除かれます

 

 

Q: ポイント付与の詳細はいつ分かりますか?

A: 6月下旬か7月上旬の予定

 

 

Q: この変更により、SMCでの
  永住権を得る移民の数は減るようにデザインされていますか?

A: 低賃金で雇用されている人々には影響がある一方で、
 この変更は技能雇用の定義を拡大し、
 人によってはニュージーランドにおける雇用で
 以前はポイントを得られなかった人々に対して
 永住権を与えるものです。
 職種がオーストラリアとニュージーランドの職種標準分類(ANZSCO)の
 技能レベル1,2,3に載っていないために
 ポイントを得られなかった、
 年収$73299以上の人はポイントを得られるようになります。

 

 

Q: この変更により、特定のタイプの申請者には利益がありますか?

A: この変更は、技能職での職務経験、30-39歳の技能レベルをより認め、
  高い年収のレベルによりフォーカスを当てるものです。

 

 

Q: 何が各ポリシーの領域での特定の変更なのですか?

A:
・技能職雇用

– ニュージーランドでの 技能職雇用のオファーと
現在の技能職での雇用に同じポイントが付与されます。
– 技能職での雇用の定義に報酬の閾値を設けます。
– ANZSCO技能レベル1,2,3の技能職の申請者は、
 年収が$48859(時給$23.49)ならばポイントを獲得できます。
– ANZSCO技能レベル1,2,3の技能職でない申請者は、
年収が$73299(時給$35.24)ならばポイントを獲得できます。
– 年収が$97718(時給$46.98)以上の申請者は
ボーナスポイントを獲得できます。
– 報酬の閾値はニュージーランドの収入データに基づき
毎年更新されます。

・職務経験
– 職務経験に対して、より多いポイントが付与されます。
– ANZSCO技能レベル1,2,3の技能職の職種での
 職務経験にはポイントが付与されます。
– ポイントはANZSCO技能レベル1,2,3の技能職の職種での
 技能職としての職務経験が与えられます。
– ニュージーランドでの、12ヶ月以上の技能職での職務経験に
 ポイントが与えられます。
 2年あるいはそれ以上の職務経験に追加のポイントは与えられません。

・資格、年齢、配偶者の資格
– レベル9、10以上(修士学位、博士学位)の資格への
ポイントが多くなりす。
– 30-39歳の申請者へのポイントがより多くなります。
– 配偶者の資格へは、学士あるいはそれ以上(レベル9以上)に限り
 ポイントが与えられます。

 

 

Q: どの要素にポイントが与えられなくなるのですか?

A:
– 絶対的に技能が不足している領域での資格
– 将来において発展が予想される領域での技能職、職務経験、資格
– ニュージーランドでの親族のサポート

 

 

Q: 健康、人格、英語の要件への変更はありますか?

A: ありません。

 

 

Q: 年収の条件には、地域により差がありますか?

A: ありません。

 

 

Q: SMCにおいてレベル9と10以上の資格には
 より多くのポイントが付与されるとのことですが、
 レベル9以下の資格へのポイント付与は減るのですか?

A: 減りません。

 

 

Q: すでにSMCでの申請をしたのですが、
 まだ審査が終わっていません。
 もし8月14日までに審査が終了しない場合、
 私の申請はどうなるのでしょうか?

A: 申請が8月14日までに提出されたのなら、
 引き続き現在のポリシーに基づいて審査が行われます。

 

 

Q: SMCでのEOIでプールから選ばれましたが、
 まだ申請への招待をされていません。
 もし8月14日以前に申請への招待を受け取ったものの、
 SMCの永住権申請を8月14日までに行わなかった場合、
 現在の技能申請移民カテゴリーのポリシーにて審査されますか? 

A: ポリシー変更以前にSMCのプールからの選抜に基づき
 申請への招待が発行されたのであれば、
 どちらの申請が8月14日以前に提出されたかに関わらず
 その申請はEOIが選ばれた時点に適用されている
 SMC下で審査されます。
 その申請は4ヶ月以内を期限に行われなければなりません。

 

 

Q: もし自分が8月14日以前にEOIのプールから選ばれたが、
 プールに戻された場合は自分のEOIはどうなりますか?

A: もしあなたのEOIがプールから選ばれたけれども
 あなたのEOIが申請への招待の要件を満たしておらず
 プールに戻された場合は、
 無料であなたのEOIを新しいEOIフォーム上で編集して
 再提出できます。
 この新しいフォームは新たな要件を反映するものです。
 しかし、もしこの変更の結果として100ポイントを得られなくなったとしたら、
 あなたのEOIはプールに受け入れられなくなります。

 

 

Q: このSMCの変更の詳細はいつ公表されますか?
A: 2017年6月を予定しています。

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