面接で、人間ではなくAIに不採用にされた話

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すごい時代になったもんだ!

…と感心しています。

割と大手の会社にオンラインで応募すると、
次の日にはHireVueというサイト経由でビデオインタビューの招待が時々来ます。

一昨日三件目の招待を受けたので、やたらポピュラーだなあと気づいて
ビデオインタビューについて調べてみました。

ビデオインタビュー、といってもSkypeインタビューのように
画面の向こうに人間はいなくて、全候補者に同じ問題が出題され、
その解答が録画されて審査されるという仕組みです。

録画された回答は人間が見るのかと思いきや、何とAIが審査するらしく。

アイコンタクト、どれだけ笑顔か、解答に使われた言葉、声調、
ボディランゲージなど25000(!)個の観点を含むアルゴリズムでAIが審査して、
落とされたら人間=人事はそのビデオを見ることなく
自動で「あなたを採用しません」メールが候補者に届く仕組み、らしいです。

表情のスコアは10-30%、残りは回答に使った言葉で審査されると。

つまり、送った履歴書はキーワードなどで人間なしで自動的に選別され
ビデオインタビューはAIが選別し、人間が関わるのはその後で、
それまでの過程で落とされた場合は、会社側は候補者の存在すら知らないと、
そういう仕組みになっている
らしい。

ただ、HireVueは設定が色々とできるらしく、
ビデオを人事が見る会社もあるようです。

AIによるビデオインタビュー導入で
人事が候補者に割く時間と旅費が削減されるのが会社側のメリットだと。

つまりこれからの時代は、求人広告に書いてあるキーワードを
できるだけそのまま履歴書に散りばめてCEO対策を施して書類選考を通過し、
さらにビデオインタビューで役者のようにカメラの前で
笑顔でアイコンタクトを取って解答し
(ここでもおそらく求人広告で使われているキーワードを
散りばめる必要がある?)、
その後ようやく人事との対面面接にこぎつけて、それを突破する必要がある
と。

今のところ、小さい会社だといきなり対面の面接でした。

ヒルトンでは2014年からこのシステムを採用しだして、
全候補者の2/3はヒルトン側の人間との接触なしに落としているらしいです。

Googleで検索して色んなページを読んでいると、
このビデオインタビューは候補者側には不評なようで。

例えば50代の水道の配管工でパソコン関係に弱い人だと
まずこのシステムを使うこと自体に苦戦したり
(しかも配管工の仕事ではパソコンを使う必要がない)、
本番前に練習用の質問に答えてる自分の姿を確認するなど
ビデオをストリームするとなるとデータの容量をかなり食うのに、
ネットのデータ使用料金が候補者負担だし、
30分―1時間の間完全に静かな環境を自宅で用意することは
人によっては難しい(ペット、子供)、など。

アメリカ人がこのビデオインタビューに激怒して
二年前に投稿した記事を見つけたので読んでみました。

アメリカでは履歴書に写真を載せることは
人種差別、性差別、年齢差別の元になるから違法なのに、
ビデオインタビューをさせてショートリストするのは許されるのか、
アイコンタクトとは何とのアイコンタクトだ、
自分のパソコンのカメラがそこにあるだけで、
その向こう側に人間はいないだろう、
AIに落とされたらフィードバックが全然貰えない、
録画されたビデオを誰に見られるか分からないのが怖い、
もしその会社がハッキングされてそのデータが流出したらどうなるんだ、
会社側の人間が誰も直接話してこず、候補者ではなくHirevueに投資して、
候補者の質問にマネージャーが答えないのは失礼だ、
人事が一方的にビデオを見るのはinteractionがないので「面接」ではない、
候補者にこんな扱いをしておいて会社のページには
「従業員は財産です!」などと書いているのは欺瞞、
ビデオインタビューはもはや候補者に対する侮蔑
、等々。

あと別の記事では、アジア人移民は文化の違いから
白人のアメリカ人と比べて異なる表情をすることがあるが、
それが結果に影響を及ぼして不利になるのでは、という意見も。

一昨日一件ビデオインタビュー受けましたが、
笑顔がなかったから通らなかっただろうなぁと…。

解答時間に制限があって、一問につき1分半だったので
「時間内に答え終わらないと!早口で!」と焦って笑顔がなかったし、
カメラをあまり見ずに答えてしまいましたし。

これは会社側にとっては便利なんでしょうね。

でも人事の存在意義がなくなってしまわないのでしょうか?

履歴書はキーワードで自動選別、AIで面接できるなら人間はいらない、
と近い将来なりそうな気がします…。

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