山下俊一教授が安全論者の中核的位置を占めていると思われる理由

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「危険厨」には「ミスター100ミリシーベルト」でお馴染の
山下俊一教授ですが、放射能を気にしたことがない人には
まだまだその名前が知られていません。

そこで、山下教授の立ち位置について今回は掘り下げてみます。

山下教授は、安全論者の中で
中核的位置を占めている人物のうちの一人です。

他にも安全論者の学者はたくさんいますが…。

安全論を唱える学者は「御用学者」と呼ばれ、
「危険厨」が作成したこのサイト
いわば「御用学者一覧」がリストアップされています。

各学者の名前にリンクが張ってあり、
クリックするとなぜその学者が「御用学者」と思われるのかが
検証されています。

検証が甘いものもありますが、
自分で一人一人調べていくのは労力がかかりすぎて
大変というか無理なのでかなり参考になります。

先の投稿で山下教授を取り上げた理由は、次の二つです。

一つめは、山下教授が原子力行政に深い関わりを持つ人物であること、
二つめは福島県放射線健康リスク管理アドバイザーの一人であることです。




一つめについて、山下教授の経歴をまとめてみます。

現在の所属および役職は長崎大学理事兼副学長、
同大学国際連携研究戦略本部長兼産学官連携戦略本部長、
福島県立医科大学副学長(非常勤)、
福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター
(長崎大学大学院原研医療休職中)、
福島県民健康管理調査検討会座長です。

また、日本甲状腺学会理事長、日本内分泌学会監事、
第22期日本学術会議会員でもあります。

以下、Wikipediaを参考にして
年表の体で山下教授の経歴・役職をまとめてみました。

2000年 原子力委員会における「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」第五分科会構成員
2002年 原子力安全委員会 原子力施設等防災専門部会が作成した「原子力災害時における安定ヨウ素剤予防服用の考え方について」の主査を務める
2003年 長崎大学永井隆国際ヒバクシャ医療センター所長を兼務
2004-2006年 世界保健機構(WHO)本部環境健康局放射線プログラム専門科学官に2年間派遣。(WHOは被曝線量の低減や事故時におけるガイドラインなどの作成を行う)
2006年 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科附属原爆後障害医療研究施設教授に復帰
2009年 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科長、原子力委員会における原子力安全研究専門部会・環境放射能安全研究分科会構成員。日本甲状腺学会理事長に就任。
2011年3月19日 福島県放射線健康リスク管理アドバイザーに任命され、就任。
同年4月1日 福島県立医科大学特命教授(非常勤)に就任。
同年4月11日-5月31日 文部科学省原子力損害賠償紛争審査会委員
同年7月15日 長崎大大学院教授を研究休職。福島県立医科大学特命教授・副学長(業務担当)(常勤)兼放射線医学県民健康管理センター長就任(神谷研二・広島大原爆放射線医科学研究所長と共に)。
2013年4月1日 研究休職期間満了により長崎大学へ復職。同大学副学長(福島復興担当)及び理事(国際・附置研究所担当)国際連携研究戦略本部長兼産学官連携戦略本部長就任。同時に福島県立医科大学副学長は非常勤となる。


WHO(世界保健機構)で被曝線量の低減や
事故時におけるガイドラインを作成していた人物なら、
安全論者ではないのではと思われますが、実はそうではありません。


WHOは実はIAEAとの間で、
「世界保健機構はとくに国際原子力機関が全世界の原子力平和利用の研究開発と実用化を促進、支援および調整する一義的責任を負うことを認める」
とする協定(IAEA-WHO協定・第1条2項)を結んでいますので、
原子力推進側だったりします。

IAEAは1957年に「原子力の平和利用」を掲げて
アメリカ主導で設立された組織です。

1955年のソ連の水爆実験成功に危機感を募らせたアメリカが、
核開発の主導権を手放すまいと1957年に設立しました。

二つめについて、山下教授は事故直後から
「100ミリシーベルト以下の被曝なら健康被害はない」
旨の発言を繰り返したことについて、
「彼の発言で避難が遅れた人たちがたくさんいる」として、
刑法第211条第1項前段業務上過失致死傷罪の被疑事実で
福島原発告訴の被告訴・告発人の一人となりました
(週刊金曜日ニュース「11月に福島原発第二次告訴――各地で参加呼びかけ」、福島原発告訴団「『本日の告訴・告発について』(資料)」 いずれも2015年8月30日アクセス)。

山下教授は放射線専門医のカテゴリーに入っています。

同カテゴリーには山下教授の他に
同じく福島県放射線健康リスク管理アドバイザーである
神谷研二福島県立医科大学副学長と、
高村昇長崎大学大学院医歯薬学総合研究科教授の名前が並んでおり、
福島県放射線健康リスク管理アドバイザー三名全てが
被告訴・告発人となっています。

福島県放射線健康リスク管理アドバイザーの役割は調べましたが、
はっきりしませんでした。

福島県知事により委嘱される職掌で、
「放射線と健康に関する正しい知識を県民に提供する」
福島民報「放射線管理アドバイザーを委嘱 県、正しい知識提供」)、
「放射線による健康への影響について県民の理解を深めるとともに、
正確な情報を広く提供」(「会議録閲覧」)するという記述を見つけられたのみでした。




しかし、役割が明確でない職掌とはいえ、
事故が起こった県でたった3名の学者に専門家として委託されるものであり、
県の放射線に関する行政に直接関わるわけですから、
山下教授の言説の影響力は小さくないと思われます。

以上のことから、山下教授は安全論者の中でも
中核的な位置にある学者だと思われます。

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