あまり知られていない依存症者自助グループの内実

アルコール依存症だと自覚してすぐに彼はGPに行って診察を受けました。

日本では自分でどの科を受診するか決めて、皮膚科や外科などの専門医にいきなり行きますが、ニュージーランドではまず自分のかかりつけのGPにかかります。

GPはどの領域も浅く広く知っている一般医で、一般医が専門医の診察や検査、治療が必要と判断すれば患者を専門医に紹介します。

という訳で彼はGPに行って診察を受けて、そこで軽い抗不安薬を処方されました。

軽い鬱だからそれを紛らわすために飲酒しているのだろう、という見立てとのことで。

ところが、彼はその処方薬を「俺にはもう必要ないから飲んでない。効き目も感じないし」と、自己判断で最初の数日で飲むのをやめてしまいました…。

彼が「俺、アルコール依存症なんだ」と親友に打ち明けて処方薬の名前を言ったら、親友から「俺もその薬飲んでるよ。昔の自分に戻ったみたいで凄い気分がいい。もう大丈夫と思って自己お判断で服薬を辞めようとしたら妻に怒られて、そのまま飲み続けてる」と言われたらしいのですが。

その親友は元?アルコール依存症とギャンブル依存症です。

その薬は私がネットで調べてみた情報によると、効き始めるまでに少なくとも数週間かかるし、飲酒欲求を抑える効果も多少あるとのこと。

やはり飲んだ方がいい薬では…と思いますが、本人が飲みたくないのに無理やり飲ませる方法もなく。

でも、「強いストレスがかかって眠れない時にだけ飲んでください」と頓服で出された強めの睡眠薬は時々飲んでるみたいでした。

彼は金曜と日曜の夜にアルコール依存症者の自助グループであるAAのミーティングに出ていますが、日曜の方のミーティングでは仕事現場の同僚がいて、お互いに驚いたらしいです。

「自分は〇〇依存症なんだよね」というのは周りに進んで話すような話題じゃないから今まで知らなかっただけで、依存症は私が思っていたよりもずっと身近なものなのかもしれません

自助グループについては、前の投稿でも紹介した漫画の第7話で詳しく説明されています。

この話も特に私は泣いたので、自分の備忘録がてら紹介します。

断酒会(AAを日本に合うようにしたもの)に家族として先に出て繋がろうとするも、怖くて行けない、それに話すだけでやめられるのが不思議、という主人公に、元薬物中毒の友人が説明をしていきます。

・自助グループは同じ問題を抱えた人同士が自主的に運営しているグループで、治療機関ではない
・保健所、公民館、教会など色んな場所で開催されている
・当事者同士で体験談や失敗、自分の気持ちを正直に話す
・何を話してもいいがルールがある:批判や詮索はしない、秘密は守られる、自分の心の安全が守られる場所であること(言いっぱなし、聞きっぱなし)

何でこれでやめられるのかというと、依存症は脳の病気で、脳内の報酬系回路が機能不全になっているから自分の力で打ち勝つのは難しいため。

趣味や仕事も同じ経験や目標を話せる仲間がいた方が続けられるし、やる気が出る。

だからやめたい人で集まる、これが依存症の自助グループだと。

だから「やめたい」「やめられる」「やめなきゃ」という気持ちが強くなる。

あとは「心の穴を埋める」ことだと友人が主人公に話していきます。





友人に背中を押してもらって、断酒会に家族として参加した主人公。

参加した感想を会社の先輩(元ギャンブル中毒)に話すと、先輩が自助グループでの自分の体験を主人公に話し始めます。



そしていよいよ主人公が家族会に参加します。



主人公は夫が病気だと思い出すため、回復することをあきらめないために家族会に通い続ける場面でこの話は終わります。

家族会で家族の話を聞いて「私の話だ」と思って泣く主人公を見て「私の話だ」と泣く私…。

AAにも家族のためのミーティングもあって、彼の初回の出席に付き合った時に会の人から勧められて、行こうと思いつつも平日の夜なので「仕事で疲れてる」という言い訳で行かずにいます…。

新しい仕事にもう少し慣れて、体力と精神力が今みたいに毎日削られなくなったら行きたいなと考えています。