家族が回復しつつある一方で、アルコール依存症者本人は…

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前回の投稿で、アルコール依存症者の家族である私が回復しつつある、
という話を書きました。

では依存症者本人の彼はどうかというと、
最近はお酒を飲まないよう頑張っています。

本人ではないので、禁酒なのか断酒なのかは分からないのですが…。

前回の連続飲酒の時にいくつか転機となりそうなことがあったので、
それで頑張ってお酒を飲まないでいるのかなと思います。

いい看護師さんとの出会い

前回の連続飲酒の終わり際に彼をかかりつけのGPに連れて行ったのですが、
その時に良い看護師さんから診察を受けました。

私たちの母親くらいの年齢のキウイの女性で、
息子が元薬物依存症(現在は回復済み)という人だったので、
依存症者の対応をよく知っているようでした。

当日予約だったので彼のかかりつけ医の予約が取れず、
看護師の診察なら取れるということだったため、
それで構わないということで出向いてきました。

これまで彼は何度も色んな医師に診察してもらいましたが、
「この人だ!」と彼が思える医師は一人しか巡り合えず、
しかもその医師はシティーの医院にいるため遠すぎて、
かかることができませんでした。

その看護師さんは医師になる勉強中ということもあってか、
時間を取って親身に彼の話を聞いて、診察をしてくれました。

しかも彼への話し方が、何というか愛情のこもった叱り方というか…。

依存症者を叱るのはご法度ですし叱ってはないんですが、
厳しくも愛情を持って、諭すような感じというか。

これまでの医師達の診察が終わった後は、
彼はいつも「合わないな…」と私に感想を言っていたのですが、
その時は「良い看護師さんだったね。
これまでのこの診療所のどの医師よりよっぽどいい診察だった」
と話していました。

血液検査をした結果、おおむね良好なものの少し悪い数値がある、
とのことで一か月後に再検査となりました。

その連続飲酒を最後に、何と彼はここ一か月弱飲んでいません

最近では依存症がかなり進んでしまって、
禁酒は一週間が最高記録だった
ので驚きです。

彼は「禁酒なんて簡単だ。7月末まで禁酒する」と言っています。

なぜ7月末なのかは教えてくれないのですが…。

体を回復させたらまた飲むぞ、ということでしょうか?

連続飲酒の最後の方でしんどかった時には、
「一年間禁酒して、それから断酒するか考える」と言っていたのに、
一年から二か月に期間が短くなっています。

それを素面の本人に指摘したら
「一年なんて言ってない。7月までと言った」と言われて、
「はいはい」という感じです…。

彼が「一年」と言っていた時になぜ一生の断酒ではなく一年の禁酒なのか聞いたら、
「一生飲酒できないと思う時が狂いそうになるから、
とりあえず一年禁酒してみて、素面での人生がどんなものなのか体験してみて、
どっちの人生(断酒か飲酒し続けるか)を送るか決めたい」
という答えが返ってきました。

確かに、精神的にも肉体的にも長期間依存してきた物質の摂取を
いきなり断ち切るのは本人にとっては怖い事でしょうから、
とりあえず短期間止めてみて、それから考えるという方向でやる…
というのは良いマインドセットだと思いました。

だから、二カ月だろうが一年だろうが、
「とにかく、一定期間禁酒をしてみる」というのが主眼であって、
数字に意味はない
のかもしれません。

それに、二か月にしろ一年にしろ、
私には変えられないことなので心配しても仕方ないですし…。

あと、彼は禁酒している時にはなぜか甘いものを欲しがるようになります
(そういう人は多いらしい)。

だから、夕食後に毎日グミを食べ、
ペプシを飲んでいる彼を見ると
「今日も飲まないんだなあ」と分かります。

「さあ今から飲むぞ」と考えている時の彼は
夕食後に甘いものを取らないんです。

あとは、ガレージに喫煙しに行く時に、
ペプシか緑茶、コーヒーをお供に持っていくようになります。

飲酒している時はたばこだけ持ってガレージに行くので、
それも分かりやすいです。

数日前にスーパーでペプシの缶を箱買いして帰ってきたので、
当分は禁酒を頑張ろうとしているみたいです。

労働時間を週60時間から40時間に減らした

彼のこれまでの、一日12時間を月曜日から金曜日まで週5日の
週60時間という長すぎる労働時間は明らかに彼のストレスとなっていました。

「上司に話して、減らせないか頼んでみたらどう?」と私が提案して、
彼もそれは良い考えだと思ったようで、
上司にお願いしたら一日8時間=週40時間の現場に回してもらいました。

でも、それはそれで彼は年棒制ではないので収入が下がり、
「貯金がほとんどできない」ことが不満なのと、
その現場は「暇すぎる」そうで、それはそれでストレスなようです…。

「やっぱり、週に55時間は働かないと金銭的に無理」と彼は言っていますが、
それはほぼ前と同じ長さだし、
忙しい現場に行くとまたストレスで飲みたくなるのが目に見えています。

それでも、以前は朝6時に家を出て18時半に帰宅していたのが、
16時には帰宅して毎晩ゆったり過ごせているのだから、
それはそれで良いと私は思うのですけどね。

収入が減って貯金できないのが嫌なら、
ヘビースモーカーの彼はたばこを減らせば貯金できるのに…。

本人には生活必需品なのかもしれませんが。

実家近くの知り合いの人との思いがけない再会

あとは、前回の連続飲酒の際に、
彼の出身の町と隣町合同のAAのオンラインミーティングに参加してもらいました。

何でわざわざニュージーランドから
アイルランドのオンラインミーティングに参加したのか?

それは、AAにもう一度行ってみれば?と私と彼の母親が勧める度に、
「ここのAAには行きたくない。キウイとは合わない。
皆良い人達のふりをしていて、フェイクだから嫌だ」
と彼がいつも言ってきたからです。

前回の連続飲酒の時には、私が
「じゃあ、アイルランドのAAに参加してみなよ。
今あっちはロックダウンだからオンラインミーティング絶対やってるでしょ」

と探して、見つけたからという次第です。

そうして私に押されてしぶしぶ参加した彼でしたが、
そのミーティングには何と彼の実家の向かい側に住む、
年の近い知り合いが参加していました。

二人はFBでずっとつながっていたのですが、
親しくはなかったのでずっと連絡を取っていなかったそうです。

そのミーティングの後で一対一でFBメッセンジャーの通話で話し込み、
それが彼にはかなり良かったみたいです。

「酒を止めたくても、仕事で嫌な奴らがいると、
そいつらが与えてくるストレスのせいで飲酒しないといけなかった」
と話した彼に、
「『そいつらのせいで飲酒しないといけなかった』ってお前は言うけど、
お前が飲酒したのはそいつらのせいじゃないぞ。
そいつらがお前の家まで来て、お前の頭と口を押さえつけて、
酒をお前の口元まで持ってきて無理矢理流し込んだのか?
そうじゃないだろ。お前は、お前の意思で飲むことを選んだんだ」

とその人は言ったそうです。

それが彼には目から鱗という訳ではなかったものの、
「当然の事実なんだけど、誰かの口から改めて聞いて
『そうだなあ』と思い起こさせてもらった」
そうで。

その知り合いの人はAAに通い始めてまだ数カ月と日が浅いので
彼のスポンサー(メンター)にはなれないそうなのですが、
それがかえって彼と近い立場にあるということで親しみを持ちやすく、
彼が話を聞きやすい姿勢になれたのかも、と私は思います。

結局、アイルランドからのオンラインミーティングに出たのは二回だけでしたが、
その知り合いと色々と話せたのは収穫だったようなので、それだけでも良かったです。

母親がパートナーである私の心配をし始めた

あとは、彼のお母さんが私の心配までし始めたというのも大きいかもしれません。

彼は前回の連続飲酒の際に母親に連絡して、
「苦しい。ニュージーランドまで迎えに来て、
アイルランドに連れて帰ってほしい」とまた頼んだそうで
(母親は心を鬼にして断ったそうです)。

彼の母親と私はたまに彼抜きで連絡を取り合っているので、
彼から「母さん、なんか言ってた?」と聞かれたんです。

それで、彼の母親が「息子だけじゃなく、あなたのことも心配。
息子を支えてくれるのはありがたいけど、
こんな状況に対処しないといけないのも辛いでしょう。
二人のために祈ってるよ」
と私に言ってくれたことを彼に伝えました。

私は「優しいお母さんだね」という意味でその話をしたのですが、
彼にはそれを聞いて思うところがあったのか、
神妙な面持ちで聞いていました。

こうして色々と禁酒を後押ししてくれるようなことが重なったので、
これでしばらく禁酒が続けばいいなと願っています。

もし断酒にまで至らなくとも、
しばらくの禁酒で少なくとも身体はかなり回復するはずです。

それに、仕事にもこの一月毎日出勤できている
=有給休暇も貯められるので、
次にまた連続飲酒になってもしばらくは金銭的に大丈夫ですし…。

どうなるやら、私は傍で見守っています。

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