連続飲酒の後の欠勤に慣れてしまうとは…

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パートナーが新しい雇用主の元で働き始めてから二か月弱経ちました。

先週の金曜は仕事が昼過ぎには終わって
家に帰ってきてお昼を食べてからすぐに飲み始めて連続飲酒になり、
月曜と火曜は欠勤してしまいました…。

こうして週末明けに欠勤してしまったことは
一か月前にもありました。

まだ勤務し始めて三か月以内で
何かあれば一週間ノーティスで解雇される時期だから
少しヒヤヒヤします。

でも慣れとは凄いもので
前は彼が連続飲酒の後に欠勤していたら物凄く慌てていたのに、
今となっては「ふーん、またか」ほどのインパクトになってしまいました。

「もし俺が仕事を解雇されたら君のビザまでなくなってしまう。
診断書を取っておかないと」
と心配した彼は
予約なしで見てもらえるGPに昨日行き
(私が運転して連れて行きました)、
「16日と17日はmedically unfitで働けません」
と書いた診断書を出してもらいました。

喘息持ちなのに何か月も吸入器を切らしてて息苦しかったのと、
肩の痛みが過去四ヶ月ほどあったのと、
ここ二週間くらいずっと偏頭痛もあったらしいので
それも合わせて見てもらってきました。

私は先々週に退職していま無職生活満喫中で機動性が高いので、
彼に「GPに連れて行ってほしい」と言われてすぐに送迎。

待合室には結構人がいて
子供が遊んでいたりして微笑ましい雰囲気だったのですが
彼は「この普通の雰囲気が嫌だ。ガレージに隠れていたい」
若干のパニック発作を起こしていました。

依存症が進むと身だしなみに気を遣えなくなるので
自分の身なりが恥ずかしかったのと
(昨日の時点で二日間シャワーを浴びていなかったし、
着ていた服も埃だらけだったので)
アルコールが抜けてきていたので不安感が出てきていたようです。

「診察室に一緒に入ってほしい」と彼に頼まれたので、
診察室に入って彼とGPのやりとりを時々口を挟みつつ聞いていました。

GPは「頭のどの部分が痛いんですか?
いつ、どんなタイミングで痛くなるんですか?」などと問診をしていって、
「その頭痛はアルコール性ですね。飲酒を止めればなくなります」とズバリ。

「お酒はよく飲むんですか?」と聞かれた彼は
「はい、大量に…。アルコールを飲めなくなる薬ってありますか?
僕はアルコール依存症なんです」

と飲酒量を正直に答えた上に否認を止めて、
アルコールを止める薬があるか聞いていました。

「おっ」と一瞬思いましたが、
GPが「うーん、そういう薬はありますが…
あなたに一生断酒する意志がなければ出せません」と答えると、
彼は「あ、そんな意志はありません」と即答。

自分の飲酒に問題があるのは自覚している。
依存症だと分かってても、アルコールの摂取は続けたい
…という。

止めたいのは短期間だけで、
また飲みたいと思っているのは側で見ていて分かります。

「AAもCADS(オークランドにある依存症治療専門機関)も
行ってみたけど効果がありませんでした。
CADSの人達の方がまだ良かった。
AAの奴らみたいな負け犬と一緒に座るなんて」
と彼が言ったのには、
「負け犬なんかじゃない、いい人達だよ」
と思わず口を挟んでしまいました。

CADSの出席者の半分以上は飲酒運転で何回も捕まって
「CADSのプログラムに出席して、
アルコールの害について学ぶように」
という司法の判断で送られてきた人達で、
AAの出席者はアルコール依存症と自覚している人達なので
まだ否認が抜けきっていない彼には居心地が悪いのでしょう。

依存症者が彼のように自助グループの人達を見て
「自分はこの人達と違う。
この人達より自分は遥かにましだ」

と思うのもまた、依存症者の典型的な反応なんですよね。

自助グループに出席していって話を聞くうちに
「状況は違ったけど、自分も似たように考えていた。
この人達は自分と同じだ」
と思えるようになるまでがまた長い道のりかもしれません。

自助グループが合わない、という人ももちろんいるし、
合わなくても回復を諦める必要はない
ので
彼の自助グループの出席には私はもう拘らなくなりました。

私自身もアルコール依存症者の家族としては
アラノンに出た方が良いはずなのですが、
合わないと感じたので数回出席した後はもう出ていませんし。

私が彼の答えを聞いてこうしたことをぼんやりと考えていると、
GPが「あなたの場合は鬱で、
それに対する自己治療としてアルコールを使っているんでしょうね」

と彼にふと言ったのが聞こえてきて、
「そういう<自己治療説>があるって本で読んだなぁ」
と思い出しました。

結局は肩の検査を少しして、
痛み止めの薬と喘息の吸入器を処方されて終わりでした。

GPと薬局の支払い約$130は私が立て替え。

彼は土曜の夜に友達とシティーのバーで飲んだりタクシーに乗ったりして、
所持金が残り13ドルなのでした。

依存症の人にお金を貸してはいけないので少し迷いましたが、
医療に関しては必要なので…。

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