アルコール依存症の元パートナーが自殺未遂をしました

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…といってももう、五カ月ほど前の話だし、彼は生きているんですが。

 

 

三月の上旬に、彼は再飲酒していました。

再飲酒を始める前日から手の感覚が少し鈍くなっていて、
かかりつけ医を受診し血液検査を受けて、結果を待っていたそうです。

そして、飲酒を始めて日数が経つにつれ、
どんどん手の感覚がなくなっていき、
腕の上の方に向けて徐々に広がっていったのだとか。

結論から言うと、手の感覚がおかしくなったのは
飲酒とは全く別の要因(脊髄がどうとか…)でしたが、
彼はそれを長年にわたる大量飲酒による結果と思い込み
人生に絶望してしまいました。

そして何日目かの夜に飲酒が止まらず苦しんでいたのと
泥酔状態で正常な判断を下せなくなった彼は、
かかりつけ医から処方されていた睡眠導入剤を大量摂取して自殺を図りました。

そして眠りにつき、なんと翌朝普通に目覚めたそうです。

睡眠剤を吐いてしまうこともなく、
意識が朦朧として起き上がれないということもなく…。

おそらく、処方されていたのはとても弱い種類の睡眠導入剤で
さらに一回ごとの処方量が少なくて大事に至らなかったのしょう。

そして、この時点で「明日、引っ越す」というメッセージを私に送り、
引っ越しに向け荷物をまとめ始め、
職場の人事に電話をかけ退職を口頭で伝え、
二人いるフラットメイト達には自分は引っ越すから
新しいフラットメイトを探すよう頼んだそうです。

そのメッセージを送られた時、
私はシンガポール発オークランド行きの長距離フライトに
インターネット接続なしの状態で乗っていました。

関空からシンガポール経由でフライトを乗り継ぎ、
日本の実家を出てからほぼ24時間が経過して
疲労困憊でオークランド空港に降り立ち
自分のスーツケースを受け取って税関の長い列に並んでいた時に
その彼からのメッセージをようやく見ました。

私が日本から帰国する数日前に連絡を取っていて、
彼が再飲酒していたのは知っていたので
「これはただ事ではない」と電話をかけると、
上記の経緯を知らされました。

その他にも、お酒に持っていたお金を全部使ってしまい
アイルランドに戻りたくて両親に話したものの、
「今の状態で帰ってきてもお前は飲酒を続けるだろう」と
航空券を買ってもらえないし家にも置いてもらえないので帰れないことを聞かされました。

その時、彼はまとめた荷物を詰めたバックパックを傍らに置き、
家の庭のベンチに座っていたとのこと。

そこで私は、彼に以下の提案をしました。

・かかりつけ医に今すぐ連絡し、手と腕の状態が悪化したことを伝えて
即急に診察してもらうこと

・血液検査の結果が出ているか聞くこと

・離脱症状が治まるまで今の家に留まること

・職場の人事ともう一度話すこと

・既に繋がっている、アルコール依存症治療機関のカウンセラーと話すこと

・アイルランドにいる兄弟と話すこと。
 (彼らの家に空き部屋があればしばらく置いてもらえるかもしれない)

税関の列が長く、これらの内容を話していた時には周囲に人がたくさんいて
内容が内容なだけにチラチラと私のことを見てくる人もいましたが、
特に気にしませんでした

電話が終わった後、
「いつもトラブルばかり持ってきて…。
帰ってきてすぐ、長距離フライトで疲れているタイミングでこれか。
本当に別れて良かった」
としみじみ感じました。

彼は私の提案をすべて実行し、
血液検査の結果は異常なしで専門医に紹介される運びになり、
良いカウンセリングを受け、こちらに留まることにしました。

数日すると、何の治療も施されたわけでもないのに
手と腕の感覚も戻ってきたとのこと。

雇用については、辞職を撤回したので失わずに済んだそうですが、
遂に警告を受けたそうです。

警告を半年間に二度受けると、解雇となります。

それまで何度も飲酒で数日間の欠勤を繰り返していたのに
なぜ警告を受けていなかったのかというと、
医師からの診断書を都度提出していたからです。

アルコール依存症は実際に病気ですし
(数日間にわたる止まらない飲酒によって)
その欠勤期間中は働けない健康状態なので
「この患者は、〇日まで働けません」という診断書を
かかりつけ医で診察を受けた時に頼めば出してもらえます。

でも、今回は診断書の発行を頼まず、
提出しないことにしたそうです。

どうして?と聞くと、
「人事がいい加減にもう俺の問題にうんざりし始めているのが
電話で話した時の声のトーンで分かったし、
俺は問題に向き合わないといけないから」とのこと。

わざと背水の陣のような状況にして、
自分を奮い立たせようとしているような印象を受けました。

この連続飲酒から五ヶ月ほどが経過していましたが、
今のところ再飲酒には至っていないようです。

飲酒をすると気分がとても悪くなる抗飲酒剤を処方してもらい、
それを毎日きちんと服用しているのだそうです。

その薬は、服用を中止したとしても効果がその後も二週間続くもので、
「今日は飲酒したいから、薬を飲まないでおこう」というのができないのだとか。

彼は以前にも別の抗飲酒剤を服用していたことがありましたが、
効果が弱いもので、服用中に飲酒をしても大して気分は悪くならず、
服用中止と同時に効果がなくなるので「計画的に」服用を中止したり
時には服用を続けながら飲酒していたりしたとのこと…。

先日は、彼が住んでいる家の敷金の半額(私が全額出しました)を
私の口座に送金したと連絡をくれました。

車のローンを全額返済し終えたり、
クレジットカードの請求額をコツコツと返済したりと
これまでの負債を無くすのに注力しているそうです。

「負債を完全に無くすのには、まだまだしばらく時間がかかりそうだ」
とのことですが、頑張っているみたいです。

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