日本人はあまり知らない、ニュージーランド就職活動のポイント

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ニュージーランドの就職活動では、レフェリーが非常に重要です。

レフェリーというのは基本的には前職の直属の上司で、
「この人は良い人です。
うちの会社でこの期間確かに働いていました」
という保証をしてくれる人
です。

学校を卒業したばかりで就労経験がない、というのであれば
ゼミの担当教授など通っていた学校の先生でいいですし、
学生時代にバイト経験があるなら、バイト先の上司でも構いません。

とにかく、これまでの自分の人物保証をしてくれる推薦者が大体3人必要です。

就職活動で求人に応募する時に
履歴書にレフェリーの連絡先を載せておいてもいいですし、
連絡先を載せずに
“Reference available upon request
(必要なら、推薦者を紹介します)”
という一文を載せておいても構いません。

連絡先を載せておいたからといっても、
採用する会社側が応募者の了解なしに
レフェリーに勝手に連絡を取ることはありません。

連絡をする前には応募者に
「あなたのレフェリーに連絡しますが、いいですか?」
と必ず聞いてきます。

レフェリーに会社側が連絡するタイミングは、
全ての面接が終わり、「この人を雇うか雇わないか」という最終選考に入った時です。

そこで採用する側の会社が、レフェリーに電話をかけ
「〇〇さんが弊社の選考を受けているのですが、
そちらでの働きぶりはどうでしたか?」

などと問い合わせる訳です。

そしてレフェリーが色々と答える訳ですね。

レフェリーが「〇〇さんはいつもよく働いていた。
いつも遅刻せず出勤し、仕事は期限内に終わらせていた。
同僚との関係も良好だった」
などと言えば応募者への印象は良くなります。

しかし、レフェリーが「〇〇さんの働きぶりは良くなかった。
遅刻が多かったし、仕事中もスマホをいじってばかりで。
同僚ともよく揉めていた」
などと言えば、
その応募者は落とされます。

働きぶりの他にも、その会社で働いていた時の給与額や
退職理由なども照会されることもあります。

例えばですが、面接で希望の給与額を聞いた際に
応募者が「前職でこれだけもらっていたから、
この仕事では同額かそれ以上欲しい」と言っていた場合は
レフェリーに実際の前職での給与額を問い合わせることで
ウラを取れる訳です。

また、「退職理由は、より責任の多い仕事をして経験を積みたいから」と
応募者が面接で言っていたのに、レフェリーに問い合わせたら
実際は同僚と揉めて居づらくなったからと判明したりします。

ですので、レフェリーは非常に重要です。

上に書いたように、基本的にレフェリーは前職時代の直属の上司です。

それでは直属の上司との関係が悪かった場合にはどうなるか?ですが…

今後の就職活動がしばらくは非常に難しくなります。

関係の悪かった上司にレフェリーになってもらえるようお願いしたところで
例え了承されたとしても問い合わせに良い答えを返す可能性は低いでしょう。

それどころか、悪いことを言って就職活動を妨害される恐れも。

せっかく書類選考と面接をクリアしたのに、
レフェリーの一言でダメになることもありえます。

それじゃあ、どこかの会社で上司と一度揉めたらもうおしまいなのか?
誰にとっても嫌な、どんな部下ともうまく行かない上司もいるんじゃないのか?

…という疑問が出てきますよね。

 

 

今後の就職活動は確かにしばらくは難しくなりますが、
それは永遠に続くわけではありません

直属の上司ではないんだけども、
よく、あるいは時々仕事を振ってくる管理職の人がいて
その人との関係が良好だったのであればその管理職の人に頼めます。

私は前職の日系の会社で直属の上司から虐めを受けて体調を崩して辞職したので
関係が良好だった他のマネージャーにレフェリーになってもらうよう依頼しました。

そのマネージャーは快諾してくれ、
私の次の就職先からの問い合わせにも
「彼女の元上司は本当に最悪な人間で、彼女を虐め
彼女はストレスから来る体調不良で辞職を余儀なくされた。
自分は彼女に良く仕事を頼んでいたため働きぶりを保証できるので
そういう訳で直属の上司ではないが自分がレフェリーになった次第だ」
と答えてくれ、無事に次の就職でも困ることはありませんでした。

そういう関係のマネージャーがいない、という場合でも、
仲のいい同僚がいれば同僚に頼むこともできます。

同僚にも頼めない、小さい会社で同僚がいなかった、という場合は
前職からのレフェリーなしでいくしかありません。

前職からのレフェリーがないとかなり苦しいですが
それでもレフェリーなしでも雇ってくれる会社は数を撃てばあります

それに、誰だって上司とうまく行かないことはあるし、
上司が嫌な人間だった可能性もあるし、
上司が退職の原因である可能性もあって、
前職からのレフェリーがないのが
必ずしも悪いことではないと分かっている人もいる
訳です。

また、こちらは転職社会なので
基本的には2-3年ごとに転職していきます。

そのうちに古い会社からのレフェリーは不要になるので
数年もすれば数あるこれまでの雇用主のうちの
たった一社からのレフェリーがないことなど問題にならなくなります

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