しがらみがなくなれば幸せだと思っていたのに…

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ここ一か月程、パートナーが東南アジアへ一人旅に出かけていて、
その間一人で家賃を払うのは高いため
シェアメイトを期間限定で入れています。

そのシェアメイトは30代前半のポーランド人女性の医師です。

ポーランド出身で4歳の時に両親とカナダへ移民し
カナダで10年過ごした後ポーランドで大学教育を受け、
その後仕事で訪れたニュージーランドでキウイ男性と恋に落ち、
つい最近その男性と別れたという経歴の持ち主。

彼女は医師という、まさに文字通りの「手に職」がある人であり、
その気になれば世界中どこにでも移民できます。

選ぶ国によっては言葉の壁があるとは思いますが…。

彼女は旅行が大好きで、何か月か働いて貯金しては
三か月ほどの世界中を旅行しています。

私からすればうらやましい限りの生活を送っている彼女ですが、
当の本人の心情は少し複雑なようです。

「自分がどの国に住みたいか分からない。
自分の仕事はどの国でもできる仕事だし、
恋人もいないし何の縛りもなくて、
生まれてからずっと過ごした母国というものもないし」
と…。

 

 

なるほど、立場が異なれば違う悩みがあるのだなぁと
私なんかは感心してしまいました。

 

 

私は放射能汚染から逃れたいので、南半球にある英語圏で、
ワーキングホリデービザで最大二年間滞在できる
オーストラリアが最善の避難先だったので
オーストラリア行きを迷いませんでした。

そしてオーストラリアのシドニーに渡ってからは
すぐ語学学校に二か月半申し込んだので、
まず二か月半は絶対にシドニーにいなければなりませんでした。

その二か月半の間に現在の配偶者となる
同じくワーキングホリデービザのアイルランド人の彼と出会い、
どちらかのビザが取れ次第事実婚をしようという話になり、
彼と別居するという選択肢がなくなりました。

事実婚では「事実上、夫婦のように暮らしている」ことを
証明しなければならないので、
事実婚申請を考えるならば原則として長期間の別居はできません。

つまり、一人で行き先を決めることができなくなりました。

それに伴い、その時いた都市以外で仕事を探すという選択肢は消え、
手に職がない自分は彼の仕事がある都市、
つまりシドニーでカジュアルでも何でも
手当たり次第で探すことになりました。

二年目のワーキングホリデービザを取るためのファーム仕事も
彼が先にビザの期限が切れるので、
友達を頼り旅立っていた先へ
別居ができないため何も考えずに私も旅立ちました。

ファーム仕事を終えた後は、
彼がすぐ仕事ができるコネのあるシドニーに再び滞在しました。

その後はパースへ飛び一か月ほど仕事探しをしたりしましたが、
二人とも仕事が見つからずまたまたシドニーに滞在。

そのうち彼はワーホリビザが切れてニュージーランドに行き、
その三か月後私のビザも切れたので私も彼のいる場所へ。

私は放射能汚染からできるだけ逃れたいので
オーストラリアで滞在を延長できなければ、
南半球で英語圏のニュージーランドが次善ですので…。

こうして書き出してみて気づいたのですが、
彼が行きたい場所へ先に旅立ち
私が後から追いかけるパターンが多いです(笑)

別居という選択肢がないので…。

住みたい都市を自分で決めることができなかったので、
彼と付き合い始めてしばらくはよくイライラしていました。

「彼さえいなければ自由で、
自分の行きたい所にどこへでも行けるのに」
と。

しかし、これは翻って考えてみると、
常にどこに行けばよいかが明確なので
どこか足元が定まらなくて覚束ないような、
心許ない感じとは無縁ということで
ある意味では恵まれていたともいえます。

彼の存在は悪く言えば「しがらみ」なのでしょうが、
良く言えば「自分がいるべき場所」であり
全てを相談できる誰かがいつも自分と一緒にいる…
という心強いことでもあります。

現在はニュージーランドにいますが、
彼はありがたいことに私と離れたくないらしいので
頑張ってこちらでワークビザを取ってくれ、
私を配偶者として彼のビザに乗せてくれました。

「君がいなかったら、俺はオーストラリアを出た後は
東南アジアを旅してからアイルランドに戻ってただろうな」と
話しています。

ニュージーランドに来てから
一晩だけ彼と別れたことがあったのですが(笑)、
悲しいのはもちろんのこと
「今後どこに行って何をしたら…」と途方に暮れました。

ただの痴話喧嘩のようなものだったので
翌朝復縁しましたが(笑)

彼は彼で、別れていた間「今の自分は彼女がいなかったら、、
もはやどこで何をしたらいいか分からない」と考えた
そうです。

しがらみは出来るだけない方がいい、と思っていたのですが、
実はしがらみがあるのは幸せなことでもあるのかもしれない、
とふと思いました。

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